インターナショナルヘルスケアクリニック

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2017.12.1

子宮頸がんワクチン

その他

テキサス大学のグループが2006年にHPVワクチンが導入されたアメリカで同ワクチン未接種の若年女性でもHPV感染率が低下する集団免疫効果が表れているとOBSET GYNECOL(201;130;693-701)で発表いたしました。この研究では2009-2010と2013-2014の18歳から59歳の女性の方を対象に行ったもので、18歳から26歳のグループで、HPVワクチンの接種を行う事で、2009-2010の子宮頸がん罹患率が3.9%でしたが2013-2014は2.0%まで減少しました。但し、同研究では26歳以上のグループでは著しい変化は見られなかったそうです。では日本ではどうでしょうか。平成25年(2013年)4月に予防接種法に基づき定期接種化されたワクチンが同年6月にその接種勧奨が中止されています。国立がん研究センター統計によりますと、2012と2013年との比較で20歳から44歳の方の罹患数の減少が見られます。ちなみに、全年齢を対象としている国立がん研究センターの統計では2013年の子宮頚がんの罹患率は人口10万人に対し16.1人が罹患していると発表しています。平成25年6月にHPVワクチンの積極的勧奨が中止された理由として、1.身体の広範囲な痛み、2.関節痛または関節炎、3.激しい疲労が6週間以上続く、4. 心身・精神症状(記憶障害、突然の眠気、呼吸苦、脱力、環境過敏)がある、5. 脳画像の異常 などの症状が見られた為だそうです。平成29年8月28日、日本産科婦人科学会が「HPVワクチン(子宮頸が予防ワクチン)接種の積極的勧奨の早期再開を求める声明」を発表、HPVワクチン接種を国のプログラムとして早期に取り入れた英国・豪州などの国々ではHPV感染率の劇的な減少と前がん病変の優位な減少が見られたこと、さらにWHO(世界保健機関)は平成29年7月の再診のHPVワクチンSafety Updateにおいて、HPVワクチンは極めて安全であるとの見解を発表したと報告しています。以上のようにHPVワクチンの接種に、一定の年齢層に対し子宮頸がんの罹患率が減少しており、厚生労働省の統計でも、副反応が出た場合でも、約7割の方々が発症後7日以内に回復されている統計を発表しております。一方、子宮頸がんワクチン接種後に健康被害を訴え訴訟を起こしている方がいるのも事実ですので、もし子宮頸がんワクチンの接種を考えている方がいらしたら、しっかり医師と相談したうえで決められたほうがよいと思います。今回このブログを書くにあたり、幾つかの資料を見つけてウェブアドレスを下記に掲載していますのでご参考ください。

参考文献日本産婦人科医会

http://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/02/106_170208.pdf#search=%27%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%94%A3%E5%A9%A6%E4%BA%BA%E7%A7%91%E5%AD%A6%E4%BC%9A+HPV+%E8%B3%87%E6%96%99%27 http://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/10/9f232994af13b9c474d83d29ee7cb343.pdf 

 

日本産婦人科学会\r\nhttp://www.jsog.or.jp/statement/statement_170828.html http://www.jsog.or.jp/statement/statement_170116.html 

厚生労働省\r\nhttp://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000032bk8-att/2r98520000032bsb.pdfhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/chousa/dl/160212_01.pdf

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/chousa/dl/160212_02.pdf

 国立がん研究センター\r\nhttp://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

 OBSETGYNECOL\r\nhttp://journals.lww.com/greenjournal/Abstract/2017/10000/Change_in_Human_Papillomavirus_Prevalence_Among.6.aspx

Nikkei Style\r\nhttps://style.nikkei.com/article/DGXMZO79350030W4A101C1000000/?page=2\r\n

朝日新聞\r\nhttp://www.asahi.com/articles/ASK5M2W0CK5MUBQU007.html