インターナショナルヘルスケアクリニック

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2018.5.11

国際医療搬送あれこれ その5

医療搬送

この時期は、寒暖差が大きく体調を崩しやすいですね。カナダにいる時は、冬場の室内はすごく暖かく、外は極寒という温度差でしたので、薄手の上着を何枚か重ね着して温度調整をしていたことを思い出します。

今回は、大学に留学された方のお話をしたいと思います。

日本の某大学生で、北米の大学に留学された女の子のお話です。彼女は真面目でコツコツと何でもこなす感じの女の子でした。海外で学びたいと留学を選び、準備し、念願かなって北米の少し田舎の大学に進学する事となりました。田舎の大学なので、同じような日本人の留学生はいませんでしたが、「日本語を使わない環境で、英語を学ぶにはとても良い環境だ」と、ポジティブに留学生活を楽しんでいました。また、真面目な彼女は、英語での勉強もストイックなほどに頑張っていました。一見、留学生活を満喫している様に見えましたが、じわじわとある問題が姿を現してきたのです。

ある日、学校から呼び出されて、その問題について先生とお話がありました。彼女は、その問題については気にも留めずにいたのですが、周りのお友達や先生にとっては、心配になる程の状態になってきてしまいました。これについては、日本人の女の子が海外の学校に出た時にたまに指摘されることなのです。日本の女の子は、欧米人より背が低いこともありますが、痩せ傾向にある女の子が多く、「拒食症?」ってとられる方がいます。確かに、日本人の女の子は痩せているほうが良いと思う方が多いのは事実ですし、実際、拒食症でなくとも痩せている方も多いです。しかし、彼女は留学前と後では、明らかに体重は減少しており、もともと痩せ傾向にあった体系は、更に痩せてしまっていたのです。体重が少なすぎると、重症貧血、心不全や免疫低下による重症感染症等を起こし生命の危険にさらされることがります。彼女はその域の一歩手前までになっていました。彼女は通学を止められ、摂食障害の治療の為、センターに入院となり、治療プログラムを受ける事になったのですが、彼女自身は「なぜ学校に通えなくなり、こんな所に閉じ込められるのか」と憤慨していたようです。病識がないこともあり、なかなか治療が進まず、その結果、日本に帰ることになったのです。帰国の為に彼女をエスコートしました。彼女の体重は落ちすぎており、生死にかかわるレベルを少し脱した状態ですので、医師付きの帰国となったのです。その後無事に日本に到着し、日本の病院に転院となりました。

このケースは、社会的要因や完璧主義などの性格の要因などがベースにあり、留学による過度のストレスが原因で発症しました。また、ご家族や何でも言い合える親しい友人が近くにおらず、状態が酷くなるまで誰も声を掛けてくれなかった事も一つの要因です。どんなに身体的に元気であっても、心も元気でないと体調を崩してしまいます。海外に出ると、生活環境や人間関係、コミュニケーションの取り方の違いなどにより、必ずと言っていいほどストレスがかかるものです。そのストレスをどの様に消化していくかも大切かと思います。皆様も体だけではなく、心のケアにも気を使って頂ければと思います。