インターナショナルヘルスケアクリニック

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2018.8.24

高い医療費

海外医療情報

家族でフランスに滞在、帰国後数年経ちます。

滞在中は慣れないことの連続でしたが、苦労話が笑い話にかわるくらいの時が過ぎ、今ではすべてがよい思い出として心に残っています。

これも、『無事に治療を終え、海外より帰国できたからこそ』言えることなのですが‥.

以前、パリで主人が急病により2週間の入院をした際の費用があまりにも高額だったため、主人が今春ふいにした旅行代金について、『50万円なんて安い、安い!!体調を万全にして、また出かければよい!!』と、思えるほどでした。
普段ならば50万円が安いなどとけして申せませんが、それほどに、海外での治療費は高額です!!

さて、そもそも主人が何故2週間も入院することになったのか?

それは、日常におこりうる、ほんの些細な疾患、『おでき』が事の始りでした。

入院する数週間ほど前に、『お尻におできができて、座るときに少し痛い!』などと冗談混じりに話していましたが、もし日本にいれば、皮膚科にいかないまでも、薬局で薬を買ってきて塗ってみるなどしていたはず‥ところが新生活をはじめ、それが整うまでの多忙さを理由に、『お尻にできた小さな奴』に注意を払うことなく過ごしていました。

ところが、ある日のことです。
私が出先から戻ると‥主人がリビングの床に倒れているのを発見しました。

意識の有無を確認すると、目は開けて言葉を発するのですが、意味をなさず、あくびを繰り返したまま、起き上がろうとはしません。

すぐに加入していた旅行保険のサポートデスクに電話し症状を話すと、受け入れ先病院の選定や医療通訳の手配をしてくれました。
折りかえし、パリ、ヌイーにある私立病院の医療通訳兼看護師の方が電話をくれ、脳外科のチームと待機してくれるということでした。

『すぐに連れていきます!』と言って電話を切り、支度をはじめましたが‥エレベーターもない、古いパリのアパートの五階から病院まで、成人男性一人を搬送する手配をしていなかったことに気がつきました。
このような緊急事態の場合、日本ならば『119』で救急車を呼びますが、フランスではどのようにしたらよいのでしょうか?

日本と同じく、電話をして呼びますが、『公的救急車』と『民間救急車』があり、どちらも有料です。

さらに、日本の救急車にあたる『SAMU』の場合は、フランス語での対応がまだまだ主であるようです。

さて、すでに立ち止まり考えている余裕のなかった私は、主人を担ぐように階段をおり、通りでタクシーを拾って病院まで運びましたが、主人の体型が非常にスリムであり、私よりも小柄だったため、辛うじてなし得たことに思います。私が無駄に大きいことがはじめて役に立った瞬間でもありました。

何とか病院につき、脳外科チームの診察を受けることになった主人ですが‥様々な検査をしてでた診断は、なんと!『お尻のおできから感染症をおこし、敗血症半歩手前』ということでした。患部の炎症により、発熱し、あまりにも高熱だったため、意識が朦朧としていたようです。

患部の切開手術を受け、退院するまでに2週間、傷口の清浄のための訪問看護と経過観察のための通院は3か月ほどだったように記憶しています。

我が家の場合は、幸いなことに治療費が無制限で支払われる保険に加入しており、さらに保険会社が直接病院に支払いをしてくれる『キャッシュレスサービス』を利用できたため、この入院から訪問看護、さらに通院の費用である1000万ほどを一旦立て替えることもなく、年間40万ほどの保険料の支払いのみで受けることができました。

さて、皆さんはこの治療費、1000万は高い!と思われますか?

私は高い!と思ってしまいました。
日本でそのような高額の医療費を支払ったことがなかったからです。

では日本国内で同様の手術と入院、治療を受けた場合には、いったいどのくらいの費用がかかるものなのでしょうか?

国立国際医療センターのホームページの入院費用の概算を参考にさせていただくと‥

急性膿皮症での入院の場合、
平均入院日数が10.3日で、
治療費は40万程  (100%)
保険適応時の自己負担額は12万程(30%)になります。

敗血症で入院の場合、
平均入院日数が19.3日で、
治療費は82万程(100%)
保険適応時の負担額は24.6万程(30%)になります。

国立国際医療センターで、この治療を健康保険がない状態で受ける場合、
治療費の算定は、20割と規定されています。ですから、主人が外国人として、国立国際医療センターで治療を受けたとすりと、80万~240万程の請求を受けるのではないか、と推測できます。
これに、外来での通院を想定して、金額を考えるとしても、100万~250万程度の請求で済むのではないかと思われます。

日本で健康保険を使っての治療であれば、
治療費は~125万程で自己負担額は~40万程。
もし、健康保険を使えない場合でも治療費は250万程ではないかと思われます。

この金額と主人のフランスでの治療と比較してみると、フランスでは日本の約4~8倍の治療費の請求があったことになります。

 

日本国内で治療を受ける感覚でいくと、驚くほどの金額が請求される可能性があることを心にとめておいていただきたいなあ、と思います。

日本の医療費が安いのか。はたまた外国での治療費が高いのかはそれぞれの受け止め方だと思いますが、これだけは是非おすすめしたいのは‥

保険に加入して備えることです!安心して治療が受けられること、これが一番です。

しかも、治療費や救援費(家族が患者サポートのために現地いりしたり、患者を日本に連れて帰るための医療搬送費用などに充てられる)の金額を必ず確認して、できれば『無制限』での補償がえられる保険を選択していただくと安心です。

クレジットカード附帯の保険があるから、私は大丈夫!と思われる方も、もう一度補償額の確認をしてくださいね。

例えば、私が持っているクレジットカード会社の附帯保険は、治療費・救援費は400万となっていました。

主人のようなケースにあてはめてみると‥
治療費の600万円は自己負担となります。

また、日本での治療を希望して、医療者のサポート付きの帰国(医療搬送)を選択したり、家族のサポートが必要で日本から現地いりしてもらう場合にも、相当の費用がかかります。

ちなみに、フランスからの医療搬送費用の平均は400 万円程だといわれていますので、
ご家族の現地入り費用と併せて考えると、十分とはいえない補償額です。

 

皆様の安心で、楽しい海外生活をお祈りします。