インターナショナルヘルスケアクリニック

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2019.3.8

寒さは苦手、南国好き看護師 その2 : 医療搬送 ~エスコートドクター・ナースに国境はなし~

医療搬送

早く春をすぎて暑い夏が来ないかと待ちわびながら、また少しずつ医療搬送の実際について触れていこうかと思います。

医療搬送と一言に言いましても、様々なパターンがあります。

まずは当院にもご相談が最も多い、日本人患者様が海外から民間の航空機に搭乗し日本へ帰国されるケース。

このご時世老若男女問わず多くの方々が簡単に外国へ行くことができるようになりました。しかしそれに伴い、渡航先での事故や病気になる方も多くなってきているのが現状です。

当院では相談のファーストコールから、日本の受け入れ先病院へ到着まで、全てドクター・ナースが対応します。

全ての準備が整い、いざ日本を出発し現地に到着して必ず1番初はじめにすること。それは患者さんにお会いしに行くこと。出発前に聞いていた患者さんの情報は、病院から送られてくるレポートや、現地ドクター・ご家族との電話から得た情報です。実際にお会いし、五感をフルに使って今の患者さんの状態をアセスメントし、事前に立ててきた移動中の予定を修正していきます。また、必ず現在の患者さんの状態を最もよく知る現地ドクターやナースと直接お話しをします。この直接医療者同士が接することは、実は世界中の搬送請負会社をみても、かなり稀なスタイルといえます。大体は間にオペレーションスタッフが入り、その人を通じてドクター同士は意見交換等をしています。しかし、直接でなければ分からないこと、misunderstandingも起こります。

 

 

フライトに関し、ドクター同士でこのようにディスカッションがヒートアップすることもしばしばあります。地上で患者さんの治療に当たる現地ドクターと患者さんの状態を悪化させず、無事に目的地に到着するエスコートをする日本人ドクター。目的が意見は当然ながら食い違うこともありますが、みんなに共通している思いは、患者さんを無事に移動させること。これが医療搬送です。様々な職種と多くのスタッフのチームワークで搬送に挑みます。

余談ですが、この写真は私のお気に入りの1枚です。人種も国籍も母国語も異なるドクターっぽく見えないドクター同士が、休日の病院で真剣に1人の患者さんについてディスカッションしている姿はあまりみられるものではありません。2人の真剣さと患者さんへの思いがみなさんにも伝わればなと思います。しかし実際の現場では、患者さんを日本に連れて帰るか否か、患者さんの状態についてかなり激しめのカンファレンスになっていましたので、のんきに写真を撮っている雰囲気ではなかったですが。

この調子でちょこちょこブログをアップしていきますので、宜しくお願いします!