インターナショナルヘルスケアクリニック

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2019.7.16

寒さは苦手、南国好き看護師 その4 ~エスコートドクター・ナースに国境はなし~

医療搬送

いつの間にか梅雨入りしましたが、暑かったり涼しかったりと気温の変動が激しい日々ですね。こんな時期

風邪など体調を崩される方も多くいらっしゃいますので、みなさんお気をつけください。

今回は搬送にはトラブルもつきもの!な内容のお話しです。

先日、患者様をお迎えに東南アジアの国へ行ってきました。個人的な話ですが、むわっと暑いあの独特の空気や活気に懐かしさを感じながら空港に降り立ちました。

一般のコマーシャルフライトのビジネスクラスを利用した日本への帰国だったのですが、今回は直行便の問題で、外資系の航空会社の利用となりました。

航空会社の対応は、会社によって結構変わってきます。やはり日系の会社は日本語が通じるということだけでなく、きめ細やかなサービスや、何より一旦決定した段取りが変更になることも少なく、安心して利用することができます。外資系航空会社は、一概にはいえませんが、事前に決まっていたことが知らないうちに急に変更されていたり、なかなか一筋縄ではいかないことが多く、準備の段階から難儀し、実際に行程中もひと悶着あることが必須です。

さて今回の最大の問題点は…搭乗許可が離陸8時間前まで出ない!!でした。エスコートの必要な患者様は、数日前から航空会社へ搭乗申請をします。そして航空会社の医療チームが申請書や診断書を確認し、搭乗許可の有無を判断します。今回の患者様の状態と準備からしてまず搭乗許可がでない案件ではありませんでしたが、クリスチャンのこの国で、運悪くフライトは年に1度のホーリーウィーク初日。多くの人が飛行機で里帰りをしたり長期休みのため旅行したりする時期=車いす使用など事前搭乗申請の必要な搭乗客が増加する。といった具合です。余談ですが、海外では車いすが必要でも持病があっても、日本より気軽に飛行機に搭乗されている感じがあります。ですので、写真のように搭乗口に優先搭乗の車いす渋滞が発生するなんて光景も。日本ではなかなか見ることがないかなと思いますが、車いすでも気軽にでかけられるということかなと思うと、日本でもそういう体制や流れが浸透していけばいいなと思ったりもします。

さて、この年に1度の混雑に巻き込まれ、何度航空会社へ連絡をいれても「not yet」の繰り返し。前日になってもまだ搭乗許可が下りないまま、患者様をお迎えに行くため日本から出発することに。これ以外のすべてのてはずは整っているため、1日でも早い帰国を望む患者さんのためにもフライトをずらせるわけにはいかないわけで、現地に到着後も確認作業は継続し‥結局夜中の0時ごろに許可がおりました。病院を出発する実に4時間前のことでした。さすがにぎりぎりでしたが、それが何が起こるかわからない海外、アジアです。その他細々と問題は起こりましたが、幸い無事に搭乗することができ、帰国となりました。早朝の出発でしたが、救急車には現地の研修医の先生とEMSのスタッフが同乗してくれました。

気づいてみると搬送終了後は、なんとか予定通りにいったからよかったけれど‥とか、無事に帰国できたからよかったけれど‥とか毎回言っているような気がします。あの時ああだったら大変なことになっていた‥と想像し、胸をなでおろしながら次の方のミッションへ気を引き締めて向かっていく毎日です。