インターナショナルヘルスケアクリニック

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2019.7.26

注意喚起:デング熱の流行に注意

海外医療情報

多くのアジア諸国では雨季に突入し、増加するデング熱罹患に対する注意喚起がWHOより出されています。
最近では雨季以外の時期でも多くの発症例が報告されるようになり、年中みられる疾患となりましたが、やはりこの時期は特に注意が必要です。

アジア諸国の動態をみると、インドネシアでは5月の時点で前年同期間から倍増しており、中には重症型デングの発症や死亡例もあるようです。
また、欧州疾病予防管理センターの報告『Dengue worldwide overview』(2019年5月16日)によると、タイは5月時点で1万3329例となり昨年同期間に比べて倍増、マレーシアで4万7147例となり昨年同期間から倍増しています。その他ベトナム・ラオス・フィリピン・シンガポールでも昨年度と比較し、患者数が増大しています。さらに、7月にはいってからも、タイやシンガポールではデング熱患者の報告数が増加し続けているとされています。

デング熱は有効な治療法がなく、発熱に対し解熱剤を服用するなどの対処療法が中心となります。
よって、有効な予防法の一番は、蚊に刺されないように徹底すること!これしかありません。デング熱は蚊によって媒介されます。通常の虫よけでは効果が不十分な恐れもあり、「ディート」等の強力な成分が、十分含有されている虫よけスプレーが有効といわれ、市販もされているのでどなたでも購入可能です。また、この虫よけは、塗布していない場所には全く効果が出ませんので、全体的にムラなく塗布する必要があります。しかしお子様には、使用できませんので、ご購入前にご確認下さい。

また、「以前デング熱にかかったことがあるので、もうかからない」と思いこまれている方も、中にはいらっしゃいます。しかし残念ながら、デング熱には大きく分けて4つの型がありますので、異なる型のデング熱にかかる可能性は十分にあり、また一般的に、2度目以降は重症化する可能性があるといわれています。さらに重症化し、デング出血熱になりますと、命の危険もあります。
 下記のリンクにデング熱について、症状等が詳しく記載されておりますので、ぜひ渡航前に目を通し、しっかりと蚊対策をとり、海外旅行を楽しんできてくださいね!

参考資料;
国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/encycropedia/392-encyclopedia/238-dengue-info.html
European Centre for Disease Prevention and Control
https://ecdc.europa.eu/en/all-topics-zdenguesurveillance-and-disease-data/dengue-worldwide-overview